日本語しか話せなくてもタイで働ける?
~不動産・コールセンター・ルート営業・製造業のリアル~
「日本語しか話せないけど、タイで仕事ってある?」
「英語もタイ語も自信がないけど、不動産とかコールセンターならいける?」
こうした相談は、タイキャリにもよく寄せられます。
結論として、日本語しか話せなくてもタイで働ける仕事は“今も”あります。
特に、- 不動産(日本人向け賃貸仲介など)
- コールセンター(日本語サポート)
- ルート営業(日系企業向けの既存顧客対応)
- 製造業(日系工場での日本人窓口・生産管理補助など)
といった分野では、日本語を活かして働けるポジションが一定数存在します。
ただし、「日本語だけで一生安泰」という意味ではありません。
この記事では、それぞれの仕事について、
- どんな仕事内容なのか
- 日本語だけで本当にやっていけるのか
- 給与や働き方の“おおよその目安”
- 向いている人・向いていない人
を、タイ日系求人の一般的な傾向に基づいて説明します。
1. 日本語しか話せなくてもタイで働ける主な仕事一覧
代表的なものを先に挙げると、以下のような仕事があります。
- 不動産:日本人向け賃貸仲介の営業・営業サポート
- コールセンター:日本人向けカスタマーサポート(電話・メール・チャット)
- ルート営業:日系企業向けの既存顧客フォロー
- 製造業:駐在員サポート、生産管理補助、品質対応の日本人窓口 など
いずれも、「日本語ネイティブである日本人」を前提とした採用が行われることの多い職種です。
2. 不動産(日本人向け賃貸仲介)
2-1. 仕事内容
タイ・バンコクなどでよく見られるのが、日本人向け不動産仲介会社での仕事です。
主な業務イメージ:
- 日本人駐在員やそのご家族からの問い合わせ対応(メール・LINE・電話など)
- 希望条件のヒアリング(家賃、エリア、間取り、生活スタイルなど)
- 内見のアテンド、物件の案内(日本語での説明が中心)
- 入居手続きのサポート、入居後の簡単なフォロー
お客様は基本的に日本人のため、接客や提案はほぼ日本語で完結します。
2-2. 日本語しか話せなくてもできる?
- お客様対応は日本語がメイン
- 物件オーナーや管理会社とのやり取りで英語・タイ語が必要になる場面もあるが、
社内のタイ人スタッフがサポートする体制の会社も多い
「社内の情報共有や一部書類は英語」というケースもありますが、
実際に、日本語を主言語としてスタートしている日本人スタッフは一定数います。
2-3. 給与イメージ・働き方(目安)
- 給与目安:おおよそ 50,000〜80,000バーツ程度の求人が見られることが多い
※個人の経験・スキル、会社規模、インセンティブ制度の有無によって前後します - 勤務時間:日中勤務が中心だが、内見希望時間に応じて多少前後する場合あり
- 休み:週1.5〜2日が一般的だが、土日どちらかは出勤になるケースが多め
2-4. 向いている人・向いていない人
向いている人
- 人と話すのが好き
- 住まいやエリアの情報を覚えるのが苦にならない
- 外出や移動が多い働き方でも問題ない
向いていないかもしれない人
- 完全デスクワーク志向
- 土日に必ず休みたい
- 新しい場所や道を覚えるのがとても苦手
3. コールセンター(日本語カスタマーサポート)
3-1. 仕事内容
タイには、日本市場向けのコールセンター・BPO拠点が複数あります。
主な業務イメージ:
- 日本人のお客様からの電話・メール・チャットでの問い合わせ対応
- 予約の変更・キャンセル対応
- 商品やサービスに関する質問への回答
- 対応内容の記録・簡単なレポート作成
扱うサービスは、旅行・通販・ITサービスなど、企業によってさまざまです。
3-2. 日本語しか話せなくてもできる?
- 対応相手は日本人が中心で、日本語のみで完結する業務が多い
- 応対マニュアルやFAQが整備されている会社も多く、未経験からでも学びやすい環境のところが多い
一方で、
- 社内ツールやシステム画面が英語表示のこともある
- 将来的にリーダー職などを目指す場合、簡単な英語力があると評価されやすい
といった点もあり、「応募時点では日本語のみでも、入社後に少しずつ英語に慣れていく」パターンが現実的です。
3-3. 給与イメージ・働き方(目安)
- 給与目安:おおよそ 50,000〜80,000バーツ程度の求人が多い印象
※プロジェクト内容、シフト条件、経験によって幅があります - 勤務時間:シフト制が一般的で、早番・遅番・土日勤務が混ざることも
- 夜勤のあるプロジェクトでは、夜勤手当がつくケースもあり
3-4. 向いている人・向いていない人
向いている人
- PC操作・タイピングに抵抗がない
- 電話対応やチャット対応をコツコツ続けられる
- マニュアルを読み、ルールに沿って対応するのが得意
向いていないかもしれない人
- シフト勤務がどうしても合わない
- クレーム対応が非常に苦手
- 長時間の着席・画面作業がつらい
4. ルート営業(日系企業向けの既存顧客対応)
4-1. 仕事内容
「ルート営業」は、すでに取引のある日系企業のフォローが中心の営業職です。
主な業務イメージ:
- 既存顧客(日系企業)の担当者への定期訪問・連絡(多くは日本人担当者)
- 受注済み製品やサービスのフォロー
- 新商品の案内や、追加の提案
- 見積書・簡単な提案書の作成(日本語が中心)
業界としては、製造業(部品・機械)、物流、人材、IT、サービスなどさまざまです。
4-2. 日本語しか話せなくてもできる?
- 取引先の担当者が日本人であれば、日本語でのコミュニケーションがメイン
- 日本本社とのやり取りも日本語が中心であることが多い
ただし、
- 社内の連絡や報告の一部が英語
- 工場訪問時などに、現場スタッフやタイ人同僚と簡単な英語・タイ語で話す場面
が出てくる場合もあり、「英語ゼロのまま一切触れたくない」という人には厳しいこともあります。
応募段階で高い語学力が必須でない求人もありますが、「覚えていく前提」で考えておくと現実的です。
4-3. 給与イメージ・働き方(目安)
- 給与目安:おおよそ 60,000〜100,000バーツ程度のレンジの求人が見られます
※営業経験の有無・業界経験・成果に応じて大きく変わります。未経験の場合は下限〜それ以下になることもあります。 - 勤務時間:平日昼間の勤務が中心
- 社用車+運転手付きのケースもあれば、自分で運転する必要がある会社もあります
4-4. 向いている人・向いていない人
向いている人
- 人と話すのが好きで、関係づくりが得意
- 数字や目標にある程度向き合える
- 外出が多い働き方でも苦にならない
向いていないかもしれない人
- 営業職自体に強い抵抗がある
- ノルマ・売上目標へのプレッシャーが非常に苦しい
- 運転や移動が苦手
5. 製造業(日系工場での日本人窓口・生産管理補助など)
5-1. 仕事内容
タイ東部(チョンブリ・ラヨーン・シラチャなど)には、日系製造業の工場が多数進出しています。
そこでの日本人向けポジションとして、例えば以下のような仕事があります。
- 日本本社との窓口(納期調整、品質に関する報告など)
- 日本人駐在員のアシスタント
- 生産管理・品質管理の補助
- 日本人顧客からの問い合わせ対応 など
具体的な担当業務は会社やポジションによってかなり異なりますが、
「日本との橋渡し役」として日本語を使う場面が多い仕事です。
5-2. 日本語しか話せなくてもできる?
- 日本本社や日本人顧客とのやり取りは、日本語がベース
- 現場スタッフやタイ人マネージャーとは、英語・タイ語が使われることもある
現場による差は大きいですが、
- 最初は日本人上司の指示を受けつつ、日本語で仕事を覚えていく
- 少しずつ、必要な英語・タイ語のフレーズを覚えていく
という形でキャリアをスタートしている人もいます。
工場に関わる仕事のため、完全なオフィスワークではなく、現場に足を運ぶ機会が多い点も特徴です。
5-3. 給与イメージ・働き方(目安)
- 給与目安:おおよそ 60,000〜100,000バーツ程度の求人が見られます
※職種・役職・経験により、大きく上下します - 勤務時間:工場カレンダーに沿った日勤が多い一方、残業や突発対応が発生することも
- シラチャなどの居住エリアから、工業団地内の工場へ通う日本人が一般的
5-4. 向いている人・向いていない人
向いている人
- モノづくりの現場に興味がある
- 現場・数字・スケジュール管理などが苦にならない
- 工場ならではのルールや安全基準をきちんと守れる
向いていないかもしれない人
- オフィスビル勤務以外は考えられない
- 現場に出ることや現場服に抵抗が強い
- ある程度の残業やイレギュラー対応にも柔軟に対応するのが難しい
6. 日本語だけで働くメリット・デメリット
メリット
- 現時点で英語やタイ語が話せなくても、海外でのキャリアをスタートできる
- 日本人や日本企業とのやり取りが多く、仕事内容のイメージを持ちやすい
- タイで暮らしながら、少しずつ英語・タイ語に慣れていける
デメリット・注意点
- 仕事の選択肢がどうしても限られがち
- 給与やポジションの面で、語学ができる人との差が出やすい
- 社内の重要な情報共有が英語・タイ語で行われる場合、情報格差が生まれやすい
- 今後、単純な「日本語対応だけ」の仕事が減っていく可能性もある
7. 日本語しか話せない状態からタイ就職を目指すステップ
ステップ1:「日本語+何ができるか」をはっきりさせる
ただ「日本語が話せます」だけでは、採用側としては判断材料が足りません。
- 不動産なら:接客/営業経験、事務処理の正確さ
- コールセンターなら:PCスキル、電話応対経験、丁寧な日本語
- ルート営業なら:日本での営業・販売経験、顧客との関係構築力
- 製造業なら:工場・メーカーでの勤務経験、数字管理の経験
など
日本語+自分の得意分野をセットで伝えられるように整理しておきましょう。
ステップ2:今の職歴・スキルを整理する
- 業界・職種・経験年数
- 仕事で工夫したこと、成果を出した経験
- PCスキル(Excel・PowerPoint・Word・タイピングなど)
- 対人コミュニケーションの得意・不得意
これをまとめておくと、エージェント側も「どの職種・求人なら現実的に狙えるか」を提案しやすくなります。
ステップ3:英語・タイ語は「これから学ぶ」でも構わない
応募時点で高い語学力はなくても、
- タイに行ったら、日常生活で困らない程度にはタイ語を学ぶつもりがある
- 出発前からアプリやオンライン英会話で、少しずつ英語に触れ始めている
といった「姿勢」があるかどうかは、面接でよく見られます。
「今は話せないけれど、こういう計画で学んでいくつもりです」と説明できると、印象はかなり変わります。
ステップ4:現実に合う求人を一緒に選んでもらう
タイ就職の求人は、日本国内にいると情報がわかりにくく、
- 「日本語だけでもOK」と書いてあっても、実際には語学必須に近いケース
- 逆に、求人票には語学要件が書かれていても、ポテンシャル次第で相談可能なケース
もあります。
ここを個人で見極めるのは難しいため、タイ就職に詳しいエージェントを通す方が安全です。
8. まずは「自分が本当に狙える選択肢」を知ることから
「不動産・コールセンター・ルート営業・製造業なら、自分にも可能性がありそうだ」と感じたら、次の一歩は、
- 今の職歴・スキルで、どの職種が現実的に狙えるのか
- 給与・勤務地・働き方の希望と、求人の相場にどれくらい差があるのか
- タイ就職までの準備(いつ動き出すか・何を勉強するか)
を、一度プロと一緒に整理してみることです。
